若い時こういうことあったって思わされる名作『かくかくしかじか』

今年たくさん漫画を読んできた中で、これは良かったっていう作品を紹介していきたいんだけど、その第一弾にしたいのが東村アキコ先生の『かくかくしかじか』です。

 

東村先生は『東京タラレバ娘』とか『ママはテンパリスト』とかで有名な人気漫画家さんですが、その東村先生の高校生時代〜漫画家になった後までの、美大をめざして通っていた絵画教室の先生との思い出を中心に描いた自伝的作品。

 

絵画教室の「先生」がどんな感じかっていうと、まあ、こんな感じ↓

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なんだけど、コワモテで不器用で、でも生徒のことをすごく大事にしてくれる先生が、東村さんのことは特に一番弟子としてかわいがっていて、

東村さんも、漫画家になってからも先生との交流が続いていて、でも…

 

というお話。

 

タラレバ娘と同じく、軽快なギャグ路線で進んでくんだけど、絶妙に切ない描写が入ってきて、グッときます。

 

東村先生自身の、もっとこうしていれば良かった、っていう後悔がめっちゃ描いてあって、Amazonレビュー見てると、そういう作者の過去の行動やそれを美化する後悔の描写が許せないっていう感想もあるみたいなんだけど、私は、  ああ、これくらいの時ってほんとこうなるよね…  ってもう共感しまくりでした。

 

自分のことにいっぱいいっぱいで、周りのことなんて考えられなくて、自分にとって何が大切だったかなんて、全部過ぎ去ってしまって取り返しがつかなくなってからやっと気づくんだって。

 

私の場合、この作品のような恩師がいたわけではないけど、例えば同居していた祖母のことなどをすごく思い出すわけです。

 

東村先生の他の作品もすごく面白いけど、一つだけおすすめを選ぶなら断然これだな。

 

全5巻完結しています。

 

かくかくしかじか 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)